今度のイタリア三都旅行の最後のイベントは、ラヴェンナからフィレンツェへの鉄道である。そう、電車に乗ることさえイベントになるということで、わたしの旅行のレベルが推し量れるというものだ。
この日の夕方5時8分にラヴェンナを発って、フィレンツェ到着予定は午後8時1分。遅い時間の到着となるので、私の旅のモットーである「何より安全。あきらめが肝腎」からは外れるが、夏至も間近の6月で日も長い。大丈夫だろうと、この時間の切符を手配した。 ただ、鉄道のルートでは、ちょっと趣向をこらした。行きのフィレンツェーパドヴァ間はイタリアの新幹線であるES*(イーエススター)で、ボローニャ経由で突っ走った。順当なルートである。パドヴァからラヴェンナへは、ボローニャに戻る途中のフェッラーラでローカル線に乗換えて南東方向へと向かった。かつての栄光のラヴェンナは、今や幹線から外れているのだ。 最後のラヴェンナーフィレンツェ間は、だから、当然ローカル線でフェッラーラに戻り、新幹線でボローニャ経由で、と大きく北へ迂回して西へ、それから南下するルートになる。だが。 手元に2004年版トーマスクックのヨーロッパ時刻表がある。何度経験しても、毎回ドキドキ初心者の旅なのだが、こういう資料はそろってきた。時刻表掲載の路線地図を眺めていて、面白いルートが見つかった。ラヴェンナから西南へ一直線にフィレンツェに向かうルートがある。 細々と早朝数本、夕方2本程度の運行があることも判明した。一応現役の線らしい、というか、わずかの乗客でもいる限り、運行している列車を廃止することくらい難しいことはない。始めるのは簡単だが、止めることは格段に難しい。何でもそうだが(よけいな感想だ)。 午後の便は、17時8分と17時42分の2本のみ。フィレンツェ到着時間は、20時1分と20時11分なので、所要時間は2時間53分と2時間29分ということもわかった。夕方5時になれば、ラヴェンナ観光も充分だろう。17時8分発とする。 ロンバルディア平原の小麦畑を見ながらのローカル線は楽しい。空に浮かぶ雲を見つつ心はあちこち飛び、気持ちの休まることこの上ない。一車両に20人くらいか?。皆、のんびり。行きのイーエススターは1時間半で物足りなかった。3時間は乗らないとゆっくり出来ない。最近の日本の新幹線は東京ー京都間2時間半もかからないが、3時間は欲しい所である。車中ほとんど本も読まないので、ずっと外を眺めて心をあちこちに飛ばせるのがいい。心に浮かぶよしなしごとを。 順調な運行だったが、時々速度が落ちる。あれっと思うころには元に戻る。信号だったかもと思うが、行き違う列車もないのに。また、速度が落ちるが、また元に戻る。次は数分停車する。あれれ、と思うとゆっくり走り出す。これがしばらく続いた後、ついに、停車した。 そうなんです。車両不具合で、乗客全員降ろされたんです。山間の、相当前に廃止されたようなひとけのない駅に。 ※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
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